ベロハウス(Velo House) のご入居者様であるTさんにお話を伺いました。
聞き手:ポケット・クリエイション(自転車はママチャリレベル)
本日は、ベロハウスに住まわれているTさんにお話を伺います。
事前資料によりますと、大阪ご出身のTさんは、高校を卒業する頃から仲間と自転車で旅行をはじめ、今もロングライドが趣味。東京に就職する前に半年間、デンマークに留学。そして、現在は中野区内の会社まで自転車通勤、さらに職場には自転車部がありレースにも参加するようになった、ということですね。
話題豊富なTさんですが、ちょっと意外なデンマークの話からきかせてください。
あちらは自転車文化が発達しているということですが、実際にいかがでしたか?
デンマークの自転車事情
Tさん ものすごいですね。日本とは比較にならないです。日本だと、例えば、環七通りの端っこに自転車のマークが描いてある程度ですけど、デンマークには自転車専用の道路があって、専用の信号や標識もあります。自転車の種類もすごく多いですし。オランダも自転車で有名ですが、デンマークもオランダも平坦な国なので、自転車が深く日常に浸透しているんでしょうね。
朝と夕方のラッシュ時には、自転車の「渋滞」がすごいです。よく中国とかアジアの国でバイクの渋滞の映像が流れますが、それの自転車バージョンみたいな感じです。
ただ、向こうは「自転車文化」を理解しているので、マナーがきちんとしていて、秩序がある状態で自転車が走っている。だから、外国から来た観光客が走っていると、ルールをわかっていないので怒られますね(笑)
―― なるほど。日本の行列文化みたいなものですね(笑)。留学中はやはり自転車に乗っていたのですか?
Tさん 乗っていました。「デンマークの文化を知る」というような授業があって、デンマークでは「自転車は文化の一部」でもあるので、マウンテンバイクで山の中を走ったりとか、そういう授業もありましたね。
デンマークの首都・コペンハーゲンで観光する時は、レンタサイクルを借りていろんなところ回ってました。
―― 日本では見かけないような自転車もあるんでしょうね?
Tさん そうですね、ロードバイクは日本だと競技用とかスピードを出すために乗るんですけど、デンマークでは家族で乗るために大きなキャリアみたいなものをつけていますね。日本でそんなことをしていたら周囲に迷惑がかかったり、車にクラクションを鳴らされたりすると思うんですけど、向こうだと普通に受け入れられているので、やはり懐が深いですね。
ベロハウスとの出会い
「シェアハウス+α」を求めた結果がベロハウスだった!
―― 大阪ご出身で、就職のために上京されたTさんですが、ベロハウスご入居までのプロセスを教えてください。
Tさん 「東京に来たらシェアハウスに住もう」というのは決めていました。デンマーク留学のときは学校の寮があって、同じ部屋で外国人と4ヶ月くらい共同生活していたんですが、それが自分にとっては居心地が良くて。社会人になると互いのプライベートにはあまり関わらないイメージがあったので、普段の暮らしでいろんな人と交流したいなと思ってシェアハウスに決めていたんです。
―― いろいろな人とのコミュニケーションが好きなのですね?
Tさん 大学時代は体育会系のバスケット部で、どちらかというと同じタイプの人とずっと生活を続けていました。でも、学生時代の最後に行ったデンマークでは、いろんな人種、考えを持っている人たちとの交流があって、さまざまな影響を受けました。これをこれからの人生でも続けたいな、と思ったんです。それには、他人を暮らす=シェアハウスで一緒に生活することが一番簡単な方法なのかなと思ったんです。
―― ベロハウスはどうやって見つけたのですか?
Tさん 最初は、普通に「東京 シェアハウス」で検索したら「ひつじ不動産」というシェアハウス専門のサイトが見つかって、自転車通勤できる中野区・杉並区の物件を日々チェックしていました。そのうち、候補が3件ほど見つかって見学にいくことになりました。そのひとつがベロハウスです。
―― その3件のシェアハウスは、どういう条件や基準で選んだのですか?
Tさん 「シェアハウス+ α」と言うのが欲しかったんですね。3DKのマンションをシェアするスタイルはよくあるんですけど、それだけだとほんとに一緒に住んでいるだけになっちゃうんで。デンマークの学校でシェアをしていて良かったのは、ただ一緒に住んでいるからだけじゃなくて、一緒に住んで、なおかつクラスで一緒に授業を受けたり、学校生活を楽しんだりという点が良かったなというのがあったんで。だから、共通の趣味でもいいですし、面白い建築であったり、住んでいる人がすごく個性的な感じだったり…。そういうところを調べていました。
―― ベロハウス以外の2件のシェアハウスも、ちょっと個性的だったんですか?
Tさん そうですね。ほかと比べると個性が感じられる物件でした。
ベロハウスの第一印象
―― では、ベロハウスの第一印象はいかがでしたか?
Tさん いろいろと条件も揃っていて、きれいだし設備も整っていて、建物で見て「ほんとにいいな」と思って。その場で「ここに決めたいです!」みたいなことを竹内さん(運営管理会社:有限会社竹由の担当者)にいきなり言ったので、竹内さんもびっくりしていました(笑)
―― ベロハウスはグレードが高い分、家賃もちょっと高めです。そのあたりはどう考えていましたか?
Tさん もちろん他の2件のほうが安いのは安かったんですけど、やっぱり部屋も小さめでしたし…。ベロハウスはその点、それぞれの居住スペースがきちんと独立していて、空間も広くてきれいだったので。私の場合は会社の補助が出るということもありますけど、むしろ「一人暮らしを安い家賃で実現できる」という印象の方が大きかったですね。
―― 最初に印象に残ったポイントとしては?
Tさん やはり、この壁ですね。自転車を室内に掛けて保管できるというのは、すごい大きなことですね。どうしても自転車を盗まれるのが心配ですよね。ロードバイク持っている一人暮らしの人は、狭いワンルームや玄関に無理やり入れている人が多いので、こうやって中に入れて壁に掛けられるというのは、安全かつ眺める楽しみもあって「これはいいな」と思いました。
―― ちなみに他の2件のシェアハウスは、駐輪場はどうでしたか?
Tさん 駐輪スペースはやはり外だったですね。あきらめて外に置くか、室内に置かせてもらえるのか、でもその場合は他の居住者の許可を得ないといけないし、どうしようかな…と。そこに決めていたら、もしかしたら自転車を持って来なかったかもしれないですね。9年くらい乗っているロードバイクですが、その後の東京生活はだいぶ変わっていたかもしれませんね。
快適な個室、広いキッチン
―― Tさんは料理がお好きだと聞きましたが、キッチンについてはいかがですか?
Tさん ベロハウスにうつったときはよく料理していました。弁当も毎日作っていましたし。パンが好きなので、サンドウィッチとかですけど。でも、最近は忙しくてあまり料理する時間がなくて…・
キッチンはすごく広いですし、冷蔵庫も大きいし、電子レンジなどの家電も揃っているので、すごく使いやすいですね。大学時代はすごく狭いキッチンで、シンクもほんとに狭くて、料理をしたくてもできなかったのに比べると、まさに雲泥の差ですね。パン焼き器まであるので、いつかぜひパンをつくってみたいです。
―― シャワーや洗濯機など、その他の設備についてはいかがですか?
Tさん 快適に使っています。シャワーも2つあって、洗濯機も大きいので助かります。
―― 個室の住み心地はいかがですか?
Tさん ロフトがあるので天井がすごく高いのがいいですね。そのロフトをベッドスペースとして使っていますが、最初はハシゴの上り下りがどうかな?と思ったんですけど、寝る時は上でしっかり寝る、という切り替えができますし、生活のリズムができるのでいいですね。僕は身長が182センチあるんですけど、ロフトは全然余裕で寝られます(笑)
とにかく、きちっと個室が確保されていて、作り付けのデスクスペースやイスがあるのも便利です。本当はもっと家具や家電を置きたいんですが、なかなか準備が間に合っていません。
自転車をはじめたきっかけ
高校時代の仲間とロングライドに出かけた日々
―― さて、ここからはTさん自転車ライフについてお聞きしたいのですが、自転車はどういうきっかけでのめりこむようになったのですか?
Tさん 大阪で高校時代に、友人とよく旅行に行ったりしていたんですが、みんな急にロードバイクを買い始めて。それで僕もロードバイクを買って、みんなでいろんな所行きましたね。「しまなみ街道」を走ったり、佐渡島を一周したりとか。基本はずっと旅行で使っていました。
―― 1日にかなり走るわけですね?
Tさん そうですね、100キロ、200キロとか。最初に距離ありきではなく、半島とか島を一周したい、そのために結果的に何km走る、という感じですね。
―― ほかにはどんなところへ行ったのですか?
Tさん 伊豆半島、小豆島、淡路島を一周しました。いつか、能登半島も一周してみたいですね。先日は、大阪の実家から3日位かけてゆっくり帰ってきました。荷物はスーツケースに入れて大阪から宅急便で送りました。
―― 荷物はどうされるんですか?
Tさん リュックだと身体への負担が大きいので、サドルバックをつけて、最低限の荷物だけですね。
会社の自転車部でレースにも参加
―― 勤務先の会社に自転車部があるとか。どんな感じで活動しているのですか?
Tさん 自転車部に所属しているのは30人くらいで、レースに出るような人が半分、あとは楽しく自転車に乗れたらいいなという感じですね。会社にも自転車のトレーニング施設があって、そこで朝とか夜とか乗っている人もいますね。僕はレースに出るような人たちに混じって、がんばってます。
―― 今までレースは具体的にはどういうのに出ましたか?
Tさん 「富士ヒルクライム」、「筑波サーキットの4時間、8時間耐久のエンデューロレース」に出場したり、あとはファンライドといって楽しみながら走るイベントで「ツールド東北」に出ます。170kmにエントリーしています。ツールド東北は、自転車部の10人ぐらいで行きます。
―― 自転車部はかなり本格的なようですが、いろいろと刺激を受けることもありますか?
Tさん いろんな人がいて面白いですよ。独身者もいれば、既婚者で家族と一緒にレースに出て、家族部門で優勝している人もいます。学生時代にトライアスロンをやっていた人とか、家に「ズイフト」というオンラインゲームとトレーニング装置が一体化したものを持っている人とか。そのゲームを毎日やっていた人は、以前はちょっとした坂でも根を上げていたのに、すごい走れるようになったそうです。僕も「もう少し早く走れるようになりたいな」と思うようになりましたね。昔は早く走れるようになろうなんて、一切考えてなかったんですけど。
―― 自転車の楽しみ方が変わってきたという感じですか?
Tさん 今まで自転車は旅行にだけ使っていたんですけど、レースに出始めるようになって、「今まで、自転車の魅力の半分も知らなかったんだな」ということを痛感しています。
でも、入社するまで自転車部があることも知らなかったんですが、サイクリスト向けシェアハウスのベロハウスに住んで、いつの間にか自転車部の一人としてレースに出るようになって、もっと早くなりたいと思うようになって…。すべてがいつの間にかつながって、新たな自転車の魅力を発見したというか。
今までは楽しく自転車に乗っていたんですけど、「スピードを早くしないとなんか恥ずかしい」というようなよくわからない感じで(笑)。そういうのも頑張らないとなと思って、先輩にローラー台という自転車を室内で乗る機械みたいなのをもらって、たまに練習もしています。
―― 「早くなりたい」と思うようになったのは自分でも意外ですか?
Tさん そうですね。本気で自転車に乗っている人を見かけると、「わー、本気で乗ってるわー!」「ピチピチの服着て走ってるー!」みたいな感じがあったんですね。気づいたら自分も今はピチピチの服を着てて(笑)。ピチピチのサイクリングウエアを着て格好つけたい、ということではなくて、そういう服装やビンディングの靴を履かないとやっぱり早くならないんで、早くなりたいと思ったら自然に格好がガチの格好になっていて。ガチの服装でやるからには早くならないと今度は格好悪いんで、もうちょっと早くなりたいなと思ってます(笑)
―― 「早くなりたい」と思うようになったのは自分でも意外ですか?
Tさん そうですね。本気で自転車に乗っている人を見かけると、「わー、本気で乗ってるわー!」「ピチピチの服着て走ってるー!」みたいな感じがあったんですね。気づいたら自分も今はピチピチの服を着てて(笑)。ピチピチのサイクリングウエアを着て格好つけたい、ということではなくて、そういう服装やビンディングの靴を履かないとやっぱり早くならないんで、早くなりたいと思ったら自然に格好がガチの格好になっていて。ガチの服装でやるからには早くならないと今度は格好悪いんで、もうちょっと早くなりたいなと思ってます(笑)
―― そこは「負けず嫌いな性格」がある?
Tさん やっぱりそこは部活でバスケットボールをやっていたんで。バスケットボールは今でもやっているんですけど、社会人だとやっぱりみんな本気じゃないので。
自転車は基本は個人競技で、自分がなろうと思えば本気になれるスポーツだと思うので、今はレースに出るんだったら、「もうちょっと早くならないと楽しみが分からない」という感じで早くなりたいな、と。
ベロハウスでいろいろな人と交流したい
―― ベロハウスにお住まいの方同士のコミュニケーションはいかがですか?
Tさん お互い社会人で生活のリズムも違うので、夜に時々あってリビングで話したり。お互い良い意味でも悪い意味でも干渉するようなことはなくて、たまたま会ったときに自然に話すって感じですね。
バスケットボールなど共通の趣味について話すことありますし、あとはやはり自転車の話題が多いですね。「このパーツを買ったよ」とか、「このレースに出たよ」「どうだった?」みたいな感じで。
僕は、「自転車好きに集まってもらって、自転車の話題で熱くなりたいです」とかそういう感じではないです。ベロハウスは、自転車に関する設備も整っているので、普通にちょっと大切な自転車に乗っている人にとっても、すごく便利で快適なシェアハウスだと思うんですよ。だから、ベロハウスに住んで自転車に目覚めてもらえばそれはそれで面白いですけど、そうでなくても同じ社会人としていろんな話ができればいいと思っています。単純に社会人としていろんな人と交流したい、というのがシェアハウスを選んだ目的なので。
野方は、実家の近くのような居心地のいい街
―― 野方の街の印象はどうですか?
Tさん 東京はガヤガヤしていて、すごく派手な人がいっぱいいて、住みづらいというイメージがあったんですけど(笑)、野方はとても居心地がいいです。実家の近くみたいな雰囲気がありますね。
―― よく行くお店とかありますか?
Tさん 味噌ラーメンの「花道」はよく行きますね。いつも並んでいますけど。あとは惣菜屋さんの「鳥富士」のわらじカツをよく買います。あとはパンが好きなので、メロンパンのお店や食パンの「一本道」にもよく行きますね。
運営管理の有限会社竹由の竹内さんには、入居直後に自転車でこの辺りを一通り案内していただきました。普通、自転車で街を案内してもらうことはないと思うんですけど。
僕は片道3.5kmくらいを自転車通勤していますが、「よほどの雨の日には、新宿西口行きの都バスがあるから」ということで環七にバス停を教えてもらったり(笑)。初めての土地にきてすぐに教えていただいてありがたかったです。竹内さんは、いろんな対応も早いですし、入居者に対して気を遣ってくださいます。
―― もうすぐ野方の夏祭り(沼袋氷川神社大例祭)がありますよ。
Tさん お祭り、楽しみです!ぜひ神輿を担いでみたいですし、野方のいろいろな方と交流できたらいいと思っています。
―― 野方ライフも大いに楽しんでください。ありがとうございました!(取材日 2017年8月8日)
このあと、8月20日に行われた大例祭でTさんは会社のお仲間や、ベロハウス設計者の赤間さんなどと一緒に野方のお神輿を初体験しました。
そのときの写真や感想はこちらをご覧ください。